■分母戦略
分母戦略とは、僕が顧問先様の
販促設計を考えるときに使う思考ツールです。
その目標を達成するために必要な分母を具体的に予測し、
現実をそれに合わせて行こうとするもので、
僕がIT企業の役員だったときに、
過去の営業経験と重ね合わせて編み出したのです。
その基本となる式は次の通りです。
~アクセス数×成約率×人数×単価~
そうです。
これはWEB経由の売上を現す数式なのですが、
意外にほとんどのリアル店舗などでも応用できます。
まずは、インターネットでの取り組みのひとつを記します。
「来訪者100人中、何人が購入まで至るか?」という話題。
インターネット販促では、多くのケースで、
僕が重要視しているのは「成約率」であり、
サイトへの来訪者100人あたり
何人が購入まで至るかを、
いつも考えているのです。
なかなか成果がでないときもありますが
「根気に勝る才能なし」と想い定め、
いつも努力しています。
成約率を上げるためには、
・テーマづくり
・デザインワーク
・キャッチコピー
・ページ導線設計
・企画商品造成 云々。
とありますが、僕の得意分野である
宿泊施設様での目安目標は
100人中1人の購入ですから、成約率は1%です
。(これは旅館の場合。ビジネスホテル系はもっと高いです)
でも、ある時、ふと重要なことに気がついたのですよ。
これは、気がついたというより、分かっていたし、
実践もしてきたのですが、不思議にも、
そこまで深く重要視してこなかった点でした。
例えば、成約率0.5%とすると、
200人が来て1人が買うことになります。
今まではアクセスアップと共に、成約率に注目して、
この0.5%を上げることを考えて来たわけです。
でもよく考えてみると(当たり前のことですが)、
「サイトに来たのに予約を入れなかった199人」
にも、着目すべきなんですよね。
この199人の方々は、
もう二度とサイトに訪れないかもしれない。
もちろん、サイトに来た方を追跡して
何度も広告表示させるような手法もあります。
でも、それはそれとして、
古典的な手法ですが、大切な視点もあります。
つまり、そのとき予約を入れなかった199人に対して、
せめてお名前とメールアドレスを残してもらう
仕組みを取り入れたいもの。
そうして継続的にアプローチできるようにしておくのです。
いやいや、
こんなのはネットマーケティングの常識だし、
僕自身重々理解していたことなのですが、
当時、「旅館業界では馴染まない」
と勝手に思い込んでいたのですね。
実は、適切なオファー(メルマガ登録やプレゼント)があって、
それに反応して、個人情報を打ち込んでくださる人は、
本当に高い確率で来館する可能性があります。
ここに「資料送付」し、
適切なフォローをしていけばグッドです。
もちろん、
リピートや紹介にもつながるような仕組みにしてゆきます。
「サイトに来たのに予約を入れなかった199人」の内、
3人がメルマガに登録してくれたとします。
そして、その人たちに継続してアプローチしたら、
1ヶ月後1人が予約につながったなら、
当時の分母200アクセスに対して、
その日0.5%だった成約率は、
結果、1%になってしまうのですよ。
その日、予約を入れなかった199人が、
198人になるのですから、
その日に遡っての成約率は1%になるというわけです。
メルマガではなく、郵送での資料送付としても、
週に3人の資料請求があって、
年間150人に郵送したとして、
その内の5%、8組がご来館いただけ、
予約単価が4万円だとすると売上で32万円。
年間150人へのDMコストが、
封筒、資料、コピー、切手代合わせて200円
とすると3万円。
投資コストは9%です。
仮にこの方程式が、あてはまるとしたら、
あとは量の確保と精度の問題。
リスト(名簿)、
オファー(提案)、
クリエイティブ(デザインやコピーワーク)
を工夫することによって、
5%のご来館率を上げることが可能です。
同時にアクセスアップも図れば、
分母そのものも増やすことができるでしょう。
上記試算の10倍程度は射程距離です。
こうしたインターネットマーケティングの
基本的発想は、リアル店舗に持ち込んでも機能します。
分母戦略とは
「必要な売上を確保するための逆算思考」
とも言えます。
さらに、
月初・月中・月末での「差額対策」もしてゆきます。
差額対策とは、
「それぞれの数値目標に対して、現時点でどうなのか?」
を検証し、目標との差額に対して、
「誰が、どこの部署が、いつまでに、どのように対応してゆくのか?」
を決めて実行することです。

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一緒に深めていきましょう☆
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みんなが健やかに暮らせますように(^-^)
松尾公輝
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